視幅・識幅・識力を拡大・向上させるトレーニングとは

視幅・識幅・識力を拡大・向上させるトレーニングとは

(参考図書:『3分間「超」速読トレーニング』pp.73-80)

 

速読トレーニングに欠かせないのが、視幅・識幅を拡大したり、識力を向上するためのトレーニングです。それぞれどのような目的で、どのように訓練をすればよいのでしょうか?

 

視幅トレーニングの方法

 

人間は自然の状態では約180°の視野を持っています。しかし、速読のトレーニングを受けていない人は、多くの文字を読む生活を続けていると、意味を読み取っている対象の文字しか見ず、それ以外の文字情報は意識的に視野から除外してしまう癖がついてしまいます。そうすると、視野の周辺部が遊んだ状態になって視力が低下したり視野が狭くなる原因になり、読書速度も落ちます。これに歯止めをかけるのが視幅拡大トレーニングです。

 

<やり方>

 

視幅トレーニングはどこでもできます。正面を見たまま、左右両端の視野にあるものも意識するようにします。歩きながらでも信号待ちをしているときにもできるので、視幅を広げるのに効果的です。

 

識幅拡大トレーニング

 

人間の視野には、単に網膜に映しているだけの範囲と、意識を集中してその中に表現されている概念や情報を読み取ろうとする範囲の2つがあります。後者は前者の内側に包含されていますが、この後者のことを「識幅」と言います。視幅とともにこの識幅を広げることで、瞬時に多くの情報を読み取るブロック読みができるようになり、ひいては読書速度を上げることにもつながるのです。

 

<やり方>

 

①新聞や地図を広げ、任意の場所を選んでそこに視点を置く。

②視点を動かさないように、見る範囲を全体に広げていく。

③全体的に認識できなくとも、四隅に意識を分散させ、まとめて見るようにする。

④内外への移動を繰り返しながら行う。

 

識力向上トレーニング

 

普通、文字を読むときには一文字ずつ順番に読んでいく読み方をしますが、速読トレーニングを受けている人は、見慣れた看板文字などであればたくさんの文字をまとめて読み取ることができます。識力向上トレーニングは、一時に認識する情報の量を増やすためのもので、トレーニングを積むと多くの情報を瞬時に認識できるようになります。

 

<やり方>

 

①メモやノートに、簡単な単語をいくつか書きます。

②それをぱっと見たときに、1単語まるごと認識できるようにします。

③慣れてきたら、1ページに書いてある単語すべてを把握できるようにしていきます。